2025年 昭文堂カレンダー「人々を見守る いしかわの灯台」
当社では毎年、年末にお客さまへ配布するカレンダーを制作していますが、このたび2025年の昭文堂カレンダーが完成しましたので、ここでは制作に至るまでのいきさつと印象深かったことについてお話ししていきます。
「昭文堂カレンダーって何?」と思われた方は、過去の記事で当社が制作しているカレンダーについて紹介しておりますので、あわせてお読みいただけると嬉しいです。
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テーマ「灯台」にこめた思い
日本海に面する石川県には、多くの灯台が点在しています。
それぞれの成り立ちを探ることで、土地に関わってきた人たちやその暮らしぶりを感じとることができるのでは……そのような思いから、今回は「灯台」を題材にしました。
ただ、令和6年能登半島地震により灯台の被災も確認され、被災された方々の感情にいたずらに触れることにならないか、復旧の妨げになるようなことはないか、といった懸念もありました。
話し合いの結果、復興の明かりを灯し、暗い海を照らす一筋の光のようにそっと人々によりそう気持ちをこめて「人々を見守る 石川の灯台」と題し、カレンダー作りをスタートさせました。
灯台カレンダーの制作を進めていくうちに
普段の生活でそれほど意識していなかった灯台が、石川県に予想以上にたくさんあることにまず驚きました。その中から掲載する12基の灯台を選び、写真撮影と下調べのため、いくつかの灯台へは実際に足を運ぶことにしました。
灯台は人に見せるために作られたものではないため、たどり着くのに苦労する場所もありましたが(目印が小さなお地蔵様だけの灯台も)、立地的に海のそばが多く、撮影の際は美しい景色を堪能することができました。
灯台というと大抵は白い円柱のものをイメージするかもしれませんが、色や形、大きさ、立っている場所も含め、それぞれに特色があります。その土地の風土や歴史にも深く根づいていることを知り、以前よりずっと灯台に興味をもつようになりました。
もしカレンダーのテーマとして取り上げなければ、こんな風に灯台について知ることもなかったと思うと、とても貴重な体験でした。
表紙でつくるペーパークラフト
制作を進める話し合いのなかで、じつは毎年のように挙がっていた「カレンダーの使い始めに捨てられてしまう表紙を何かに活用できないか」という課題。これまでなかなか良い活用方法を提案できずにいましたが、石川県の灯台について調べるうちに実在する灯台を模したペーパークラフトがあることを知りました。
そしてこのたび、第九管区海上保安本部様ご協力のもと、福浦灯台の展開図をお借りすることで「カレンダーの表紙でつくるペーパークラフト」を実現することができました。
昭文堂カレンダーの表紙(裏面)に展開図を印刷しておりますので、ハサミやノリなど基本的な道具が揃っていれば、ご自宅ですぐに作り始めることができます。
こちらで実際に作ってみたものを紹介しておりますので、ご参考までにお役立てください。
福浦灯台ペーパークラフトの作り方
さらに今回は、クラウドサーカスが提供する、アプリ不要でARを作成・体験することができるウェブAR・ブラウザAR『LESSAR(レッサー)』というサービスを利用し、この灯台ペーパークラフトのAR化にも挑戦しました。
ウェブAR・ブラウザARとは、インターネットブラウザ上で体験できるAR(Augmented Reality/拡張現実)のことで、平らな床や机の上にお手持ちのスマートフォンのカメラをかざすと、まるでその場にあるかのようにAR化したコンテンツを表示させることができます。
昭文堂カレンダーの表紙(裏面)に掲載している二次元コードをスマートフォンで読みとることで気軽に体験できますので、ぜひお試しください。
※一部対応していない機種もあります。
制作を終えて
今回のカレンダー制作では、初めての試みがいくつかありました。
表紙裏面へのペーパークラフト掲載、ARの作成など試行錯誤の繰り返しでしたが、なんとかこの形に収まり一同ほっとしています。
年が明けたら表紙は捨てず、ぜひペーパークラフト作りにチャレンジしてみてください。
一口に灯台といってもその役割はさまざまで、初めて知ることも多く、制作を進めるごとにより一段と身近に感じられるようになりました。お手に取ったみなさんにとっても、石川県の灯台に興味をもっていただくきっかけになればと思います。
制作にあたり、第九管区海上保安本部様、かほく市役所様、志賀町役場様にご協力をいただきました。とりわけ第九管区海上保安本部様には、各灯台の現状や選定、ペーパークラフトについてさまざまな助言をいただき感謝申し上げます。
僕も灯台めぐりをしてみたくなったなあ。