SEOとは? 自分でできるSEO対策と考え方【初心者向け】
私たちの生活で、もはや日常になっているインターネット検索。インターネットを利用している方なら、Google(以下「グーグル」)やYahoo!(以下「ヤフー」)といった言葉は、よく耳にするのではないでしょうか。
パソコンや携帯(スマートフォン)などで調べものをしたとき、インターネット上に表示されるWebページの集まりをWebサイトといいます。
インターネット上には、膨大な量のWebサイトが存在しており、利用者がブログを書いたり、SNSで投稿したり、動画をアップロードしたりするたびに、その情報量は増えつづけています。
その世界中にごまんとあるコンテンツの中から、私たちが欲しい情報に辿りつくために欠かせないのがグーグルやヤフーといった検索エンジンです。
検索エンジンは、いわば「◯◯について知りたい人」と「◯◯の情報を発信しているWebページ」とを引きあわせる架け橋のような存在。
私たちが普段、欲しい情報にスムーズに辿りつくことができるのは、この検索エンジンが情報をきちんと整理し、届けてくれているおかげです。
この検索エンジンにあなたのWebサイトを評価してもらい、検索した人(以下「ユーザー」)が欲しい情報を見つけられやすい状態にすること、つまり「検索結果の上位に表示させる試み」をSEOといいます。
SEOは、Search Engine Optimization(サーチ・エンジン・オプティマイゼーション)の頭文字で、日本語では「検索エンジン最適化」という意味になります……というと急に小難しくなってしまいますが、肩肘はらず気楽な気持ちで読みすすめてみてくださいね。
SEOの基本的な考え方
検索エンジンはユーザーのさまざまな質問(検索)に対し、いかに質の高い回答(検索結果)を提供できるかを追求して年々進化しています。
日本の検索エンジンの利用率はグーグルが大半を占めており、Bing(ビング)、ヤフーも利用されていますが、ヤフーはグーグルの検索システムを利用していることから、基本的にグーグルに準じた内容を表示しています。
グーグルの圧倒的なシェア率から考えると、SEOはいわば「あなたのWebコンテンツをグーグルに気に入ってもらうための施策」ともいえます。
グーグル社には、検索品質評価ガイドラインというものがあり、グーグル検索の透明性を高めるとともに、ユーザーのことを第一に考えたコンテンツを提供するため、グーグル社がどのようなページを高く評価しているかが記載されています。
全160ページにも及ぶ英語の文書のため、このガイドラインの内容をすべて把握するのは容易ではありませんが、公式のSEO関連情報サイトが公開されており、グーグルの考え方について日本語でも読めるようになっています。気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
グーグルが検索結果の順位を決める仕組み
Webページが検索結果に表示されるまでには、3つのステップがあります(すべてのページが必ず、このステップを踏むわけではありません)。
1. 情報収集(クロール)
「クローラー」と呼ばれるプログラムが新しく作られたWebサイトや更新されたページを訪問し、その内容を読みとります(クロールを拒否しているページやパスワードが必要なページは訪問しません)。
このクローラーという名前は、プログラムがインターネット上を這いまわる(Crawl)ことから名づけられました。水泳のクロール(Crawl)と同じ単語だと考えるとイメージしやすいですね。
2. 集めた情報を整理(インデックス)
クローラーが訪問したページを解析し、検索結果に表示してよいかを判断します。クローラーに「検索結果に表示してよい」とみなされることを「インデックス」といい、インデックスされたページは、その情報が求められたときにすぐ引き出せるように、きちんと整理された状態でデータベースに登録されます。
インデックス(Index)には、索引という意味もあります。図書館では利用者が本を探しやすいよう本棚にプレートをつけて、どのジャンルの本が収まっているか判別しやすくなっていますね。
データベースはたとえるなら、いつでも貸出できる本がきちんと分類されている図書館のような存在です。
3. 検索結果の表示
グーグルをはじめとする検索エンジンにキーワードをいれて検索すると、ユーザーの考えを検索エンジンがくみとって、ユーザーが求める回答に近いと思われる検索結果を表示します。
本屋で探している本があるけれど、どうしてもタイトルを思いだせず、その本について「学校が舞台で……」「主人公は魔法が使えて……」と話すうち、ピンときた店員さんが「探しているのはこの本ですか?」と内容が近そうな本を何冊も持ってきてくれるイメージです。
なお、検索エンジンが提供する検索結果はランキング形式になっており、より上位に表示されているページほど「ユーザーにとって質が高く、信頼できるページ」だと検索エンジンが判断したということになります。
クリック率を左右するページのタイトル
それでは「ユーザーにとって質が高く、信頼できる」とは、どんなページでしょうか。
ここではまず、ページタイトルの設定についてお話しします。
ページタイトルは、あなたのWebコンテンツをアピールする上で重要なSEO対策の1つです。
ただ目立てばよいというものではなく、ユーザーが抱えている悩みや知りたい、欲しいと思っている事柄に対して、あなたが提供する情報がきちんと向き合っている必要があります。
ポイント1:ユーザーの心を3秒で掴む
ログラインという言葉をご存知でしょうか。パッとみただけで「面白そう」「読んでみたい」と思わせるような魅力的な宣伝文句のことです。映画のポスターや本の帯に書かれたキャッチコピーをイメージしてもらうと、わかりやすいかもしれません。
人は、あるものを視界に入れたとき、3秒で「見る価値があるか、ないか」を判断しているそうです。Webコンテンツにしても同じで、たった数秒のあいだに求めている情報がみつからなければ、ユーザーはそのページからすぐ離れてしまうといった調査結果もあります。
つまり、多くのユーザーは自分が欲しい情報をなるべく早く得たいと考えているのです。
ポイント2:検索で使われそうな言葉はタイトルの前方に入れる
「タイトルは30文字以内にした方がよい」という話をきいたことはないでしょうか。
その理由は、グーグルの検索結果に表示されるタイトルの文字数が、パソコンだとおよそ26〜30文字前後であるためです。この文字数を超えてしまうと、タイトルの後方が「 … 」で省略されてしまい、すべてが表示されないことでタイトルの意図が正しく伝わらない可能性があります。
どれだけ魅力的なタイトルをつけたとしても、ユーザーが読めなければ無いのと同じです。
検索で使われそうな言葉はタイトルの前方か中央に配置し、あなたが意図しないところでタイトルが省略されてしまわないように順序や言い回しを工夫することが大切です。
ポイント3:ページタイトルにはキーワードをかならず含める
あなたのWebコンテンツがどのような内容なのか、検索エンジンにとってもわかりやすくするために、ページタイトルにはかならず「キーワード」を含めるようにします。
「キーワード」とは、ユーザーが検索で使いそうな言葉や文章のことです。
たとえば【豆腐】と検索してみると、
- 豆腐 簡単レシピ
- 豆腐 種類
- 豆腐ステーキ
- 木綿豆腐 レシピ
- 絹ごし豆腐 レシピ
このように、他のユーザーが検索で使っている言葉の候補が表示されることがあります。
この候補は、ユーザーが知りたいと思っているであろう情報を効率よく得られるように検索エンジンが採用している仕組みの1つで、ユーザーが検索するときの考え方や傾向を知る手がかりになります。
また、キーワードは大きく「ビッグキーワード」と「ミドル(スモール)キーワード」に分類されます。
「ビッグキーワード」とは、非常に多くのユーザーが検索している人気のキーワードのことで、具体的には【富士山】【歯医者】【東京 観光】など、誰もが思いつくような1〜2語からなる言葉が挙げられます。
検索数が多いということは、それだけユーザーの興味や関心が集まっているということです。そういったキーワードで検索結果の上位にWebページを表示させることができれば、かなりのアクセス数が期待できますが、検索数に比例して競合も多くなるため、上位表示を狙うのは非常に難しいというデメリットもあります。
対して、検索数こそ「ビッグキーワード」に及ばないものの競合が比較的少ない分、上位表示を狙いやすいのが「ミドルキーワード」や「スモールキーワード」です。
実際のところ、検索されること自体が少ないキーワードでは、せっかく上位表示されたとしてもアクセス数はあまり望めないのですが、この「ミドルキーワード」や「スモールキーワード」を活用することにより「ビッグキーワード」だけでは掴みきれない、ユーザーごとの悩みやニーズを明確化できるというメリットがあります。
基本的な考え方としては、多くの人が検索している「ビッグキーワード」を軸に、そのキーワードと関連する「ミドルキーワード」や「スモールキーワード」をかけ合わせるようにして設定するのがおすすめです。
より深い悩みを抱えている人、解決したいという意欲が高い人ほど、検索するときに入力する言葉は多くなります。
たとえば【豆腐 賞味期限】と検索している人と【豆腐 賞味期限切れ 未開封 いつまで】と具体的に検索している人では、後者の方がより切迫感があるのではないでしょうか。
さまざまな悩みやニーズに対し、自分ごとのように親身な回答や対策、体験談などを載せている記事があれば、その対象であるユーザーはしっかり読んでくれるはずです。
ポイント4:読み手の期待を裏切らない
日本語を読むスピードを仮に400文字/分と換算すると、30文字のタイトルを読むのにかかる時間は約4秒。そのあいだにユーザーに「読んでみよう」と思わせることができれば、あなたのWebページをクリックしてくれる確率はぐっと高くなります。
ただし、せっかくタイトルに惹かれて訪問してもらっても、肝心の中身が「思ってたものと違った」「期待はずれだった」という感想をユーザーにもたれてしまっては勿体ないです。
タイトルがコンテンツの内容よりも誇大にならないようにすること、ひいてはコンテンツそのものが読み手の期待を裏切らないようにすることが、SEO対策でもっとも考えるべき要素といえます。
前述したとおり、たった数秒で読むか読まないかを取捨選択されるタイトルだからこそ、回りくどい表現や、読み手が知っているとは限らない専門用語などは、なるべく避けるようにします。パッとすぐ読めないような難しい漢字や、流行り廃りがあるような言葉も、それ自体が狙っているキーワードでない限りは使わない方が無難です。
SEOはコンテンツ制作に通ずる
Webコンテンツには、ユーザー(人間)と検索エンジンのクローラー(プログラム)という二者の読み手がいます。そのため、ユーザーにとっても検索エンジンにとっても読みやすく、伝わりやすい「読み手視点のコンテンツ」をつくることがSEO対策の第一歩といえます。
このことはグーグルをはじめとする検索エンジンが、コンテンツの質や信頼性をより重視する傾向を強めていることからも、今後のSEOの指針になっていくのではないでしょうか。
まとめ
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。本記事では、あらかじめみなさんと共有しておきたいことに加えて、SEOの基本的な考え方やページタイトル、Webコンテンツをつくる上で意識しておきたいことについてお伝えしました。
本記事の内容をざっくりとですが、まとめてみます。
- 検索エンジンの役割は、Webページを訪問・解析・整理し、ユーザーが求める情報(検索結果)を提供すること。また、検索エンジンは、ユーザーのさまざまな質問(検索)に対し、いかに質の高い回答(検索結果)を提供できるかを追求している。
- そのWebコンテンツがどのような内容なのか、検索エンジンにとってもわかりやすくするために、ページタイトルにはかならず「キーワード」を含める。
- Webコンテンツには、人間とプログラムという2つの読み手がいる。どちらにとっても読みやすく、伝わりやすい読み手視点のコンテンツをつくることがSEO対策の第一歩といえる。
Webサイトを運営するにあたり、SEO対策はどうしても避けては通れない道です。
とはいえ、SEOという言葉をきいたことがあっても「難しそう」「複雑そう」といったイメージが強く、なかなか手をだせていない方も多いのではないでしょうか。
ぜひ、お仕事や趣味で記事を書かれている方は、これらについて意識してみてください。
SEO対策はとても奥が深く、今回ご紹介したことはほんの一部でしかありませんが、この記事がSEOの「何となく難しそう」を払拭するきっかけになれば幸いです。
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