印刷を楽しむウェブマガジン「インタメ!」Produced by 田中昭文堂印刷

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  • 昭文堂カレンダーのご紹介

    昭文堂では毎年、年末にお客さまへ配布する月めくりカレンダーを制作しています。

    ここでは、2008年から恒例になっている昭文堂カレンダーの制作風景や、ちょっとしたこぼれ話をご紹介します。

    昭文堂カレンダーをご存知ですか

    昭文堂の社内で制作している壁かけカレンダーがこちら。

    B3用紙よりやや大きめのサイズで、日付が大きく印字されているのが特徴です。

    日付の下に書きこみできるスペースもあり、大きくて目に留まりやすいとお客さまから長らくご好評をいただいています。

    昭文堂カレンダーでは毎年テーマを決めて、石川県の名産や歴史を感じさせる風土、伝統ある文化など、有名どころから知る人ぞ知るといった珍しいものまで幅広くご紹介しています。

    ひと月ごとに異なる写真と文章を掲載しており、めくるときのワクワク感を楽しんでいただけたらという思いをこめて制作しています。

    カレンダーの表紙やタイトルは制作メンバーで案を出しあい、調整を繰り返しながら仕上げます。

    表紙を飾るタイトルは、営業部の社員が書いた筆文字を採用していることも。さまざまな部署で働く社員が一丸となって、カレンダーの制作に取り組んでいます。

    昭文堂カレンダーができるまで

    カレンダー制作の大まかな流れをご紹介します。

    1. 企画書:カレンダーのテーマとタイトル、制作の意図を企画書にまとめます。
    2. 写真収集:制作チームと営業部の社員が協力して、カレンダーに掲載する写真の収集にあたります。被写体が施設などの場合は、管理者の方に掲載の許諾を得た上で画像データの貸し出しを依頼、あるいは当社で撮影するなどしています。
    3. 文章執筆:制作メンバーで分担して草案を考えます。対象が施設などの場合は、管理者の方に掲載の許諾を得た上で、事前に内容をご確認いただいています。
    4. デザイン・画像編集:掲載する写真と文章の編集に加え、表紙のデザインを制作します。
    5. 版下制作:日付部分の文字組みを作成、数人がかりでしっかりと校正・検査し、製版の工程にまわします。
    6. 製版:版下制作したデータから確認用のカラープルーフを出力し最終検査を行い、刷版を出力します。
    7. 印刷:刷版をUV印刷機に掛けてインクの濃度調整、見当を合わせて試し印刷をします。確認後、本印刷します。
    8. 製本:表紙から月順に丁合いをして1冊に並べます。上部に切り取りミシンをいれます。最後に紙の留め具を付けて穴あけをします。
    9. 完成!

     

    印刷用語

    • 版下(はんした)…… 印刷する際に必要な印刷用データのこと。
    • 文字組み(もじくみ)…… 文字の大きさ、間隔、位置調整などを細かくおこない、読みやすさやデザインの美しさを追求する手法。
    • 校正(こうせい)…… 誤字脱字、英語のスペルミス、表記ゆれ、文章の構成や文法の使い方、内容や体裁に矛盾が起きていないかなどを確認し、正しいものに修正すること。
    • カラープルーフ…… 本印刷前に色調を確認するために、インクジェット紙や本番と同じ紙を使っておこなう色確認のこと。
    • 刷版(さっぱん)…… 印刷用の版で、印刷機にセットする大きなハンコのような金属板のこと。
    • 見当(けんとう)…… 表裏の位置関係や同一印刷面の各色がずれないように各色版の位置を合わせること。
    • 丁合い(ちょうあい)…… 数種類の印刷物を1枚ずつ順番にとり、1セットの束にすること。

    これまでの昭文堂カレンダー

    2021〜2024年に配布したカレンダーのテーマをご紹介します。

    2021年 カレンダー「いしかわ坂散歩」

    石川県には、風情ある坂がたくさんあります。普段なら何気なく通りすぎてしまう坂も、ふと立ち止まってみるとそれぞれに趣があり、名称にも由来があり、坂道を登る前と後ではその表情もまた違ってみえます。
    世に数多あるカレンダーの中でも「坂」というのは、なかなか珍しいテーマだったのではないでしょうか。

    2022・2023年のテーマは「ミュージアム」

    昭文堂カレンダー初の試みとして、2年にわたり同じテーマで制作をおこないました。
    2022年は「ミュージアム その1 ひとかどの人たち」と題し、さまざまな分野を代表する一廉の人たちの偉業と、そこにこめられた思いを伝える施設を、2023年は「ミュージアム その2 楽し、美し、懐かし」と題し、多彩な魅力にあふれる文化施設をご紹介しました。

    2024年 カレンダー「レトロな建物をたずねて」

    2008年からつづく昭文堂カレンダーの制作も2023年の時点で17年目。テーマを決める会議では、ああでもないこうでもないと制作チーム全員で頭をしぼるなか、メンバーが発案した「レトロブーム」の話から着想を得て、この年のテーマは「レトロ建築」に決まりました。
    時代を越えて親しまれている建物の歴史的な価値や、その温かみのあるデザインを通して、石川県の新しい魅力の発見に繋げてもらえたらという願いをこめています。

    最後に

    ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
    昭文堂カレンダーが石川県のさまざまな風土や文化、その歴史に興味をもっていただくきっかけになれば嬉しいです。
    カレンダーに掲載している写真の場所を巡ってみるのも楽しそうですね。各所の最新情報につきましては、各公式サイトなどをご確認ください。

    制作チーム一同、より使いやすく、たくさんの方に長く愛されるカレンダーを目指して制作を進めてまいります。

    2025年 昭文堂カレンダーは鋭意制作中です!